自閉症スペクトラム(ASD)とは
自閉症スペクトラム(ASD)とは?
自閉症スペクトラムとは広い意味での自閉症といえます。自閉症の人の中には、知的障がいのある人からふつうの人よりも知的に高い人までいます。
また、話し言葉を持たない人や言葉の発達に遅れのある人から言葉の獲得そのものには問題のない人までいます。
また対人関係の持ち方も、孤立タイプ、受動タイプ、積極奇異タイプとあるように、表面的にはさまざまな現れ方をします。
このように、一見表面的には異なっているように見えても、
①社会性(相互的な対人関係)の発達の質的な違い
②コミュニケーションの発達の質的な違い
③想像力の質的な違い
の<三つ組み>のある場合に、自閉症スペクトラムとしての共通特性があるとしてとらえる考え方です。
下の図のように、典型的な自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群は異なる障がいではなく、共通の<三つ組み>の特性をもつ連続体(スペクトラム)ととらえることができます。
また、自閉症スペクトラムの人は、<三つ組み>の特性以外にも、感覚の感じ方の違い(過敏性や鈍感さ)、運動の協応の困難さ(動作のぎこちなさや手先の不器用さ)、得意なことと苦手なことの差が大きいなどの特徴を合わせ持っている人もいます。
しかし、これらの特性が、外見上は見えにくいために、なかなかご本人のしんどさや本当に困っていることが、周囲の人には理解されにくいために、適切なサポートに結びつきにくいという問題があります。
だからこそ、自閉症スペクトラムの特性について、周囲の人たちが、正しく理解することが何よりも重要です。無理解からくる偏見やいじめをなくし、良かれと思ってする本人にとっては苦痛や迷惑となる対応をしないように、私たちは、自閉症スペクトラムについて、よりよく理解していくことが大切です。